どのドメインでオウンドメディアを構築するかの選択によってSEOの評価が大きく変わる可能性があるため、ドメイン選択はとても重要です。
また、オウンドメディアのコンセプトや自社サイトの状況などによって最適な構築方法が異なりますので、それぞれのメリットとデメリットを踏まえて解説します。
はじめに
まず初めにオウンドメディアを立ち上げる際にどのようなドメインの選択肢があるのか、またそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。
基本的には以下の3つの中から選択してオウンドメディアを立ち上げます。
新規ドメイン
新規ドメイン取得が最もイメージつきやすいかと思いますが、新しくオウンドドメイン用のドメインを取得して立ち上げる方法です。
新規ドメインはレンタルサーバー会社やドメイン販売会社から購入することが可能です。
新規ドメインを取得して立ち上げる場合のメリットは3つあります。
①:リスク分散
万が一、自社サイトもしくはオウンドメディアサイトで問題が発生した場合に評価がさがるのをどちらか一方のみで止めることが可能になります。
例えば、Googleからペナルティを受けてしまうと最悪の場合、そのドメイン自体が検索結果に表示されなくなってしまいますが、別々のドメインで運用していればそのリスクを回避することができます。
②ブランディング
一貫したブランディングをしていきたい場合には新規ドメインでの運用がお勧めです。
よくあるケースだと、自社サイトのデザインとオウンドメディアのデザインが異なり、サイトイメージがバラバラになってしまう場合があります。
そのため、自社サイトとオウンドメディアのターゲット層やコンセプトが異なる場合などは特に注意が必要です。
サブディレクトリ
サブディレクトリとは、自社のコーポレートサイトのURLがhttp://example.co.jpだとした場合、http://example.co.jp/media/のようにURLの末尾に”/”(スラッシュ)で区切られた階層に構築する方法です。
ホームページはトップページを第1階層としてその下に事業紹介ページや会社案内などのページがぶら下がっているような階層構造になっています。
その各階層のことを「ディレクトリ」といいます。
サブドメイン
サブドメインとは、既に持っているドメインを区切って使用する方法です。
例えば、自社のコーポレートサイトのURLがhttp://example.co.jpに対してhttp://media.example.co.jpのようにドメイン名に任意の文字を追加します。
基本的にサブドメインは通常元のドメインとは異なる事業やサービス情報を発信する際に使用されます。
Yahoo!のサイトを見るとわかりやすいのですが、検索エンジンとしてのメインのドメインはhttps://www.yahoo.co.jp/です。
しかし、Yahoo!は検索エンジン以外にもオークションページやショッピングページがあり、URLは以下の通りです。
検索エンジン:https://www.yahoo.co.jp/
オークション:https://auctions.yahoo.co.jp/
ショッピング:https://shopping.yahoo.co.jp/
オークションページもショッピングページもメインの検索エンジンとは別の異なるサービスであるためサブドメインを利用しているとわかります。
結論
結論としてはオウンドメディアに最適なドメインはサブディレクトリだといえます。
理由は以下の2点です。
理由1:スタートダッシュを切れる
前提として、今回構築するオウンドメディアでは自社コーポレートサイトと関連する情報を発信するという想定です。
1つ目の理由は、ある一定のSEO評価を受けた状態でスタートできる可能性があるからです。
サブディレクトリで構築した場合、自社コーポレートサイトの下階層になるため自社コーポレートサイトのSEO評価を受け継いでスタートできます。
オウンドメディア立ち上げ直後に一定のSEO評価を受けられることは初動としてはとても有利になります。
通常、オウンドメディア立ち上げ当初はSEOの評価を受けることが難しいため、アクセスを集めるのに数ヶ月かかる場合が多いです。
しかし、サブディレクトリで立ち上げることによって最初から自社サイトのSEO評価の恩恵を受けられる可能性が高く、立ち上げ当初からアクセスを見込むことができます。
理由2:自社コーポレートサイトのSEO評価が上がる
理由1と重なる内容になりますが、オウンドメディアで記事を質の高い記事コンテンツを定期的に更新していくと元のドメインのSEO評価が高くなります。
そのため、オウンドメディアに注力することで自動的に自社サイトのSEO評価も高まり、双方にとって有利に働きます。
逆に、新規ドメインでオウンドメディアを構築し、自社サイトからの問い合わせ同時に増やしたい場合は、オウンドメディアでSEO対策しながら自社サイトでもSEO対策をする必要がありコストが2倍かかってしまいます。
サブドメインを利用すべきケース
サブドメインを利用すべきケースとしては2つあります。
1つ目は、自社サイトと関連がない情報を発信する場合にはサブドメインを利用した方が良いでしょう。
自社サイトと異なるテーマのコンテツをサブディレクトリで発信してしまうと、Googleはこのサイトがどんなコンテンツを発信しているのかがわかりづらくなり、正当な評価を受けにくくなってしまいます。
ユーザーの目線からしても、メインはシステム開発の情報が掲載されているのに下層ディレクトリではおすすめの飲食店の記事が投稿されていたら関連性がわからなくなって、このサイトは何を伝えたいのかがブレてしまいます。
サブドメインであれば、自社サイトのコンテンツと異なる情報を発信したとしても問題はないため、このような場合はサブドメインを利用しましょう。
2つ目のサブドメインを利用すべきケースとしては、YMYL領域の情報をオウンドメディアで発信する場合はサブドメインの利用をお勧めします。
YMYL領域とは簡単に説明するとYour Money or Your Lifeの略称で、ユーザーのお金や健康に直結する情報を指します。
医療や法律、金融などがYMYL領域に含まれます。
なぜ、YMYL領域の場合はサブドメインの方が良いのかというと、YMYL領域はGoogleからの評価がとても厳しくなり、サブディレクトリで構築してしまうと自社サイトのSEO評価までも下げてしまう可能性が高くなるためです。
実際にGoogleのJohn Mueller氏もGoogleのYouTube内で
「YMYLコンテンツと非YMYLコンテンツは同じWebサイトで公開しない方がよい。同じWebサイト内に混在していると、GoogleがWebサイトを判断するときに混乱してしまう」
と言及しています。
以上の理由から、YMYL領域のコンテンツを発信する場合にはドメインと別れたサブドメインを利用するようにしましょう。
最後に
今回はオウンドメディア構築の際にどのドメインで立ち上げるべきかを解説しました。
お客様の事業内容や中長期的なプランによってどのドメインを利用するかは変わってきますので、オウンドメディアの立ち上げでお困りの方はお気軽に無料相談にお申し込みください。