Twitterは、ユーザーが関心を持つと判断されるコンテンツを「おすすめ(For you)」タブで提供するために、独自のアルゴリズムを利用しています。
Twitterを運用しているWeb担当者に求められるのは、この「おすすめ(For you)」タブに表示されるためのアルゴリズムの仕組みを理解したうえでTwitter社にとって有益なユーザーとみなされることで、インプレッション(表示回数)が多くなり、結果的にエンゲージメント率やフォロワー獲得が期待できます。
この記事では、「おすすめ(For you)」に表示されるアルゴリズムについて詳しく解説し、それを踏まえてWeb担当者が今後どのようにTwitterを運用すべきかを解説します。
※本記事は2023年4月15日現在の情報にもとづきます。
目次 ➖
【1.「おすすめ(For you)」が表示されるアルゴリズムについて】
2023年3月に公開されたソースコードによると、Twitterの「おすすめ(For you)」に表示されるアルゴリズムは以下の3つの要素を組み合わせてユーザーにとって最適なコンテンツを表示していることがわかります。
1.1 ユーザーの行動データ
ユーザーがフォローしているアカウントの傾向、過去にいいねやリツイートしているツイートの内容、検索履歴などのユーザーの行動データをもとに、そのユーザーが関心があると思われるトピックを特定します。
1.2 ツイートに対する反応率
いいねやリツイート、リプライなど、他のユーザーが自分のツイートに対してどれくらい反応してくれたのかというエンゲージメント率(反応率)も評価の対象となります。
1.3 時事性
現在の話題やトレンドなどを反映した、Twitter内でツイートされている数が多いコンテンツが優先的に表示されます。
【2. Twitter社の利益となり得るアカウントとは】
Twitter社の収益モデルは広告とTwitter Blueへの課金のおもに2つです。
この2つの収益モデルを踏まえてTwitter社にとって有益なアカウントはどういったアカウントなのかを予想しながら解説していきます。
2.1 エンゲージメント率(反応率)の高いアカウント
Twitter社の収益モデルの一つは広告収入です。
広告収入とは、Twitterに広告を出稿したい企業やクライアントがTwitter社に対して広告出稿費用を支払うことで得られる収入です。
つまり、Twitter社からするとより多くの企業に「Twitterに広告を出すのは効果的だ」と思ってもらうことで広告収益が増えることになります。
では、どのようにしたら多くの企業がTwitterが広告を出稿するのに優れたプラットフォームであると認識してもらえるのかというと、当然アクティブユーザーが多く存在していることが前提となります。
そのため、Twitter社にとってみればいいねの数やリツイート数などのエンゲージメント率(反応率)が高いツイートをたくさんしてくれるユーザーが多くいればいるほどアクティブユーザー数が増え、より多くの企業に広告を出稿してもらいやすくなるということです。
そうなればTwitter社からするとエンゲージメント率の高いツイートをたくさんしているアカウントを多くのユーザーに表示して優遇するのは必然となります。
2.2 Twitter Blueアカウント
Twitter社のもう一つの収益モデルはTwitter Blueの定額課金(サブスク)です。
Twitter Blueとは、月額1,000円支払うとユーザー名の横に青い認証バッジが付く仕組みのことです。
Twitter社の収益モデルのひとつが広告収入であることは先述しました。
しかし、広告の収益モデルだけでは財務状況が成り立たなくなってきたため、新社長であるイーロンマスクはTwitter社を立て直すためにサブスク型の課金モデルを設けたと考えることができます。
つまり、Twitter社からするとTwitter Blueに課金してくれるユーザーが多ければ多いほどより安定的な収入を得ることができるため、Twitter Blueのアカウントのツイートを優先的に表示してくれることが予想できます。
【3. 絶対に押さえておくべきTwitterの運用方法】
最後にこれまで解説してきた内容を踏まえて、Twitterの運用担当者がどのようにアカウントを運用していく必要があるのかを具体的に解説していきます。
3.1 Twitter Blueへの課金
最も簡単なのがTwitter Blueへの課金でしょう。
この点については先述した通りで、Twitter社の利益を考えるとTwitter Blueのアカウントを優遇してくれることが考えられるため、特にTwitterを本格的に活用している企業アカウントであれば、月に1,000円支払うのとTwitter Blueに課金することで得られる利益を天秤にかければ自ずと結論は導き出せるでしょう。
3.2 外部リンクは貼らない
自分のツイートに外部リンクを貼りまくるアカウントというのはTwitter社からするとユーザーを外部に流出させているためあまり良くは思われないはずです。
そのため外部リンクを貼るのであればリプライ欄であったりプロフィールに設置するのが安全策であるといえます。
とはいえ、Twitter社も宣伝ができないSNSに価値がないということは理解しているはずなので、そこまで気にしすぎる必要はないでしょう。
3.3 エンゲージメントの向上
Twitter社にとって有益であると認定してもらいやすくなるアカウントは先述した通りですが、具体的にはどのようにすれば良いのでしょうか。
エンゲージメント率を高めるための施策をご紹介します。
3.3-1 1日のツイート数を3回程度に抑える
ユーザー(仮にAさんとする)からするとどれだけフォローしているアカウントのファンであっても1日に大量のツイートをしている場合、すべてを追うことが難しくなります。
仮にAさんの閲覧率が30%になった場合、Twitter社は”Aさんにとってそのアカウントは表示する価値のないアカウント”と認定して、Aさんに対して表示される回数が減ってしまいます。
そのため、できるだけ自分のツイートを100%見てもらえる回数に抑えるべきであるため、1日のツイート回数を3回程度に抑えることをおすすめします。
3.3-2 オリジナルの画像や動画を掲載する
ユーザーにとって有益でオリジナリティのある画像や動画などのコンテンツを掲載すればいいねやリツートなどの反応率を高めることができます。
タイムライン上でテキストのみのツイートはなかなか目に留まりませんが、ユーザーにとって興味のある画像や動画であれば目に止まる確率を高めることができます。
その結果、プロフィールへ流入 → 過去ツイートの閲覧 → 興味・関心づけ → フォローという流れを生みやすくなります。
そのためには、自分のアカウントでは誰に対して、どのような情報を発信していくのかをあらかじめ設定したうえで分析・改善を繰り返していく必要があります。
3.3-3 決まった時間に投稿する
ツイートする時間を毎回固定にするのもエンゲージメント率を高めるために有効な方法です。
だいたいのユーザーは朝の通勤時間、昼休憩、帰りの通勤時間、帰宅後のちょっとした時間など、決まった1日のルーティーンの中でTwitterを開くことが多いです。
そのため、毎回決まった時間にツイートすることでユーザーに目に留まりやすくなりエンゲージメント率の向上が期待できます。
3.3-4 リツイートはしない
極力RT(リツイート)は避けた方が良いでしょう。
本当に有益なツイートをRTするのであればそこまでエンゲージメントは悪くなりませんが、RTばかりしているアカウントはエンゲージメント率が下がります。
そもそもRTばかりしているアカウントをユーザーはフォローしようと思いません。
ユーザーが自分のプロフィールを訪問した際に独自性があり、おもしろみのあるツイートであることが望ましいので、できるだけRTすることは避けましょう。
3.4 無駄なフォローはしない
これは完全に個人的な考えになりますが、フォロー数>フォロワー数のアカウントのスコアリングは低く付けられていると考えています。
例えば実際にユーザーの立場になって考えた際に、フォロー<フォロワーのアカウントは有益なツイートを多くしているから多くのユーザーからフォローされているんだろうと考えるし、逆にフォロー>フォロワーのアカウントはつまらないツイートばかりしているアカウントなんだなと捉えてしまうでしょう。
そのため、取引先だから、知り合いだからなどと言ってあまりフォロー数を無闇に増やすことは避けた方が良いです。
【4. まとめ】
今回は、2023年3月末に公開された「おすすめ(For you)」のアルゴリズムの説明からTwitter運用担当者向けにTwitterの運用方法について解説しました。
復習になりますが、Twitterの「おすすめ(For you)」アルゴリズムは、ユーザーの行動データやツイートの人気度、時事性にもとづいて関心があると思われるコンテンツを提供しています。
Twitter運用担当者にとって、このアルゴリズムの仕組みを理解し、適切なコンテンツ戦略を立てることが重要だといえます。
ターゲットユーザーの理解、時事性のあるコンテンツの作成、エンゲージメントの向上などを通してアルゴリズムによって選ばれやすいコンテンツを投稿することで、リーチやエンゲージメントを向上させることができます。
今後も、Twitterがアルゴリズムをアップデートし続けることが予想されます。Twitterの運用担当者は、アルゴリズムの変更に柔軟に対応しつつ、最適なコンテンツ戦略を継続的に見直すことが求められます。
そのためにも、アルゴリズムの仕組みや動向を常にチェックし、最新情報に基づいて戦略を調整していくことが大切です。
最後に、Twitterの「おすすめ(For you)」アルゴリズムは、あくまでユーザーの関心に合わせたコンテンツを提供するための一つの手段であり、アルゴリズムに頼りすぎず、本質的なコンテンツの価値を追求することが重要です。
クオリティの高いコンテンツを作成し、ユーザーとのコミュニケーションを大切にすることで、Twitterを通じたブランドやプロダクトのプロモーションを成功させましょう。