ChatGPTの登場でホームページ制作はどう変わる?

ChatGPTの登場でホームページ制作はどう変わる?

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ChatGPTの登場でホームページ制作はどう変わる?

今回はWebマーケットのWebディレクターとして活動している穂苅(ほかり)が、いま話題のChatGPTの登場による今後のホームページ制作の在り方や、ChatGPTが今後どのような変化をもたらすのかを解説していきます。

ChatGPTとは?

まずChatGPTをご存知ない方もいるかもしれないので簡単にChatGPTがなにかを説明すると、OpenAI社が開発している人工知能ツールで、特徴としてはチャット形式で質問や指示を与えることでそれに適した回答や返答を戻してくれます。

ChatGPTができること

具体的にChatGPTには以下のような活用用途があります。

  • 質疑応答(Q&A)の提供
  • 小説やブログなどの文章作成
  • キャッチコピーやアイデアなどのクリエイティブの作成
  • コードの是正やプログラミングのヒント提供
  • 翻訳や言語学習のサポート
  • データの整理

上記以外にも自動画像生成や音楽作成など新たな使用用途が日々発見されており、AIの可能性はまさに無限大と言えます。

ChatGPTが苦手なこと

一方でChatGPTが苦手とするタスクもあります。

1.時事ネタなどの最新情報の取り扱い

ChatGPTの学習データは2021年9月までのデータであると言われており、それ以降の情報やトピックに関しては十分に対応することができません。

また、最新の情報を返してくれるわけではないのでChatGPTの情報を鵜呑みにしてそのまま受け入れるのはリスクが高いため、実際にGoogleなどで最新情報と照らし合わせて情報を精査する必要があります。

2.曖昧な質問への対応

ChatGPTは情報が不足しているなどの曖昧な質問には対応が難しい場合があったり、複数の解釈ができる内容については適切な回答を得られない場合があります。

例えば「それはどうやって作るの?」と質問を投げかけた場合の「それ」は具体的になにを指しているのかが不明瞭ですので回答を得ることができません。

そのほかにも「最高のレストランは?」に対しても地域や料理の種類などが絞られていないため、どのようなジャンルに関する情報を提供すればよいのかが判断できずに適切な回答を提供してもらうことは難しいです。

このように質問の内容が曖昧な場合は適切な情報を得られないケースがあります。

3.複雑な推論や専門的な知識を要する問題への対応

ChatGPTは一般的なトピックについてはうまく対応してくれますが、複雑な論理的推論や特定の専門分野に関する知識が求められる問題では、正確な答えを提供することが難しい場合があります。

例えば、「量子コンピュータのエラー訂正アルゴリズムに関する最新の研究動向は何ですか?」という質問を投げつけた場合、量子コンピュータに関する専門的な知識と最新の研究動向に精通していることが前提として必要です。

ChatGPTの学習データは2021年9月までのものであり、それ以降の情報はキャッチアップしていないので、最新の研究動向について正確な回答を得ることは難しいでしょう。

ChatGPTはとても万能なツールのように思えますが、十分な情報を与える必要があったり、ある程度高度な内容には対応できないということを念頭に置いて、どういう投げかけをすれば自分が求めている回答を得られるかを考えながら利用する必要があります。

ChatGPTがホームページ制作に与える影響

ChatGPTの登場によりホームページ制作のあり方は大きく変わることは間違いありません。

ホームページ制作の中でもどのような分野や領域に影響があるのかを各領域ごとに解説していきます。

01.ホームページ制作の作業者の必要性

特定の領域の作業者はChatGPTによって作業を代替されたり、必要性が低下する作業者もいます。

コーダー

まずはコーダーの必要性が大きく低下します。

ホームページ制作における費用のほとんどが人件費であり、その中でもHTMLコーダーの割合は約30%〜60%程度と大きい割合を占めています。

しかし、ChatGPTを活用すれば「よくある質問のHTMLコードを出力して」と投げかけると以下のような結果を返してくれます。

ChatGPTが出力したよくある質問のHTMLコード

当然CSSなどの細かな調整は必要なレベルの精度なので完全にコーダーの必要性がなくなるとは現時点(2023年4月)では言えませんが、簡単な修正やコードの誤りなどはChatGPTを活用すれば解決することができるので必然的にコーダーに依頼する機会は減ることが予想されます。

現時点で私の方で確認している内容だとCSS、JavaScriptやjQuery、PHPなども必要な情報を与えてあげれば求めているソースコードを返してくれるようです。

ライター

文章を作成したりセールスコピーを考えるライターの仕事の大半はChatGPTに代替されるでしょう。

例えば、ChatGPTを活用すれば特定のジャンルの記事を大量に量産することが可能になるため、ブログや記事を作成するためのライターは不要になります。

セールスコピーに関しては、ChatGPT自体が膨大なテキストデータの中から回答を導き出すという性質上、どうしてもありきたりで平凡な回答が上がってくる傾向がありますが、今後さらに多くのデータから学習していけばより尖ったコピーを出してくれるだろうと確信しています。

そのほかにも文章の誤字脱字チェックもかなりの精度で正してくれるので、ライターさんはインタビュー能力などのソフトスキルや薬事薬機法や景品表示法など専門的な知識を有していなければ市場価値がなくなってしまうでしょう。

02.ホームページ制作コストの低下

そのほかにも制作費用に影響があることは明白でしょう。

上述した通り、ホームページ制作の費用のほとんどは人件費です。

そのため各作業者の稼働時間が少なくなればホームページ制作の費用が安くなるのは当然です。

具体的には、これまではコーダーが対応していたHTMLやCSSなどのコーディング作業をChatGPTを活用すれば簡易化することができます。

そのほかにはライターが行っていた文章やコンテンツの作成などをChatGPTが代替することによりその分の費用を抑えることができます。

そのため、WebマーケットでもChatGPTを試験的に導入してこれまで同様のクオリティが担保できるのか、ChatGPTを活用することでより低価格でお客様に納品することができるかを検証しています。

03.ホームページ制作の必要性の低下

このままChatGPTが進化を遂げていくと将来的にはホームページ自体が不要になる可能性もあると思います。

現段階でも調べ物や知りたい情報がある場合はGoogleで検索するのではなくChatGPTに質問するという人が増えているという点もそうですが、GoogleがBardという対話型のAIを検索結果に導入することを発表した点からも予想できます。

このBardですが、検索結果の広告枠の下に表示されると言われており、Bard導入後は検索結果の1ページ目に表示されるサイトの数が減少することが予想されます。

そうなると今よりもSEOの上位表示が困難になり、ドメインパワーやコンテンツ量の少ないサイトはそもそもホームページを制作する必要性が低下する可能性もあると考えます。

まとめ

今回はChatGPTとChatGPTの登場によってホームページ制作にどのような影響があるのかを解説していきました。

ホームページ制作企業としては、これまで制作するだけで完結していた制作会社は淘汰されるでしょう。

今後、ホームページを制作するうえで必要になるのはSEOや広告、SNSなどのWebマーケティングの全般の知見をもった制作会社でなければ生き残ることはできないと思います。

そのためWebマーケットも私個人もWebマーケティングのプロとしてこれまで以上にお客様の売り上げを最大化することを考えて、日々精進していきます。